妊娠初期のくしゃみ
なぜ妊娠初期にくしゃみが出る?

妊娠すると、今までは反応しなかったもの、例えばハウスダストや埃、ダニなどに、敏感に反応してしまうことがあります。これは、妊娠によってホルモンバランスが変化していたり、体質が微妙に変わったりするためと考えられています。そのため、今まで以上にくしゃみがでることがあります。
中には、もともとあった鼻炎や花粉症が妊娠によって悪化することもあります。アレルギー体質の人は、妊娠によってアレルギーが悪化する傾向があることがわかっています。
もう一つ、妊娠初期には風邪の引きはじめのような症状が起きることがあります。具体的には、微熱、寒気、頭痛、鼻水、鼻づまり、くしゃみなどです。これも、ホルモン変化や免疫力の低下などで起こると考えられています。
妊娠初期のくしゃみ 不安なこと
子宮の痛み
くしゃみによって子宮の痛みが起こることはありません。子宮は腹腔内の腹腔液の中に浮かんでいて、いくつかの靭帯によって骨盤底とつながっています。
従って、外側からの刺激や、腹筋に加えられた刺激などは、間にある腹腔液がクッションとなって、ほとんど影響を与えません。特に妊娠初期は子宮がまだ小さいので、子宮と腹筋の間に十分な距離があり、外部からの刺激はほとんど伝わらないのです。
腰痛・ぎっくり腰
ぎっくり腰の原因は様々ですが、何らかの刺激や過労などで腰に激痛が走ることをぎっくり腰と言います。
くしゃみによってぎっくり腰になることは、実は珍しくありません。これは、くしゃみをする時に腰が前に折れ曲がるために、その衝撃によって椎間板や腰の筋肉に圧力や負担がかかることが原因ではないかと言われています。
特に妊娠中は、腰痛を起こしやすくなるので、くしゃみによるぎっくり腰にも注意が必要です。これは、妊娠すると、からだの関節や筋肉を柔らかくするホルモンが多量に分泌されるためです。
そうでないと、子宮(すなわち筋肉の塊)が鶏卵大から直径40センチにまで大きくなることは不可能なのですね。
この、筋肉や関節を柔らかくするホルモンのお陰で、子宮が伸びたり、分娩時に骨盤の出口が広がったりして出産が可能になるわけですが、同時に関節痛や腰痛なども起きやすくなるのです。他には、このホルモンの影響で、足の付け根が痛んだり、歩行不可能になったりすることさえあります。
破水
破水とは、赤ちゃんを包む羊膜及び卵膜が破れて、中の羊水が外に漏れ出る現象ですが、妊娠初期にくしゃみによって破水が起こることは無いので、心配しなくても大丈夫です。
妊娠中はあらゆることが不安になるもので、くしゃみをするとお腹にひびく、お腹に力が入ると感じ、破水が心配になるかもしれません。
ですが、破水という現象は、妊娠中期以降に胎盤がしっかりでき上がって、赤ちゃんがある程度の大きさになるまでは起こりえません。なぜなら、妊娠初期はまだ胎児がとても小さいし、羊水の量もとても少ないからです。
切迫流産
では、くしゃみによって切迫流産になることがあるでしょうか?
これも、心配する必要はありません。確かに大きなくしゃみや、くしゃみが何度も出てなかなか止まらない場合、腹圧がかかって切迫流産になるのではと心配になるかもしれません。
ですが、くしゃみによって起こる下腹痛はお腹の筋肉の痛みで、流産の場合に起こる下腹痛は子宮の痛みです。何度もくしゃみや咳をするとお腹がつるように痛むことがありますが、切迫流産による痛みは、鈍痛やシクシクとする痛みですので、痛みの場所も、種類も違います。
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くしゃみの対策
部屋の掃除をまめにする
ハウスダストやダニもくしゃみの原因となりますので、部屋の掃除や換気をマメにすると良いでしょう。ただし、花粉症の時期は、空気清浄機を用いるなどして室内に花粉が入って来ない工夫が必要です。
ファーやムートンなどの素材を避ける
ふわふわして柔らかい素材は気持ちがいいですが、ダニやハウスダストの温床となりますので、くしゃみが出やすい人は控えた方が良いでしょう。
また、部屋の中やベッドの上にぬいぐるみがたくさんある人も要注意です。くしゃみが治まるまでの間は、押し入れやクローゼットにしまうなどして、できるだけダニが住みにくい部屋作りを心がけましょう。
まとめ
くしゃみのしすぎでお腹が痛くなると、赤ちゃんへの影響が気になりますが、大丈夫、心配する必要はありません。とは言っても、妊娠初期は他にもつわりなどが辛い時期ですから、できればくしゃみに悩まされることなく平穏に過ごしたいものですね。
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