戦いごっこをする意味と大人の心配

戦いごっこに込められた発達を知る

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戦隊ものやウルトラマン、プリキュアなど、男の子も女の子もヒーローに憧れを抱いていることと思います。そんな、ヒーローになりたいという思いから「戦いごっこ」をして遊ぶ子ども達も多くいますよね。

先ほども書いたように、戦いごっこは大きく分けると「表現遊び」という保育の項目になっています。これは、分かりやすい遊びで言うと、発表会などで披露することの多い「お遊戯・演劇遊び」と同じ項目にあります。

ここでの発達目的は「表現力」や「想像力」、「仲間との協力する力」などがあげられる大切な保育項目となっています。

他に戦いごっこならではの発達としては「コミュニケーションの中の力加減」や「相手の気持ちを想像する力」などが上げられるでしょう。

一口に「戦いごっこ」と言ってしまうと、年齢にもよるかもしれませんが、乱暴なイメージや元気が有り余っているイメージをしてしまいますが、大切な発達が多く含まれていることが分かると思います。

大人はケガが心配に

元気良く遊んでくれていること自体はうれしいことですし、一生懸命に言葉や動きを真似ている姿というのは愛らしくもあります。

しかし、お友だちにパンチをしたりキックをしたりしてしまうと、ケガのこともありますから保護者としては心配になってしまいますよね。

また、発達のイメージでもあげた「乱暴な性格になってしまうのではないか?」、「元気が有り余ってるからかな?」という部分も大きいでしょう。

では、そうしたイメージを払拭して、ケガにも配慮をしながら「戦いごっこ」ができるとなったらどうですか?ちょっと、戦いごっこもありかな。なんて思ってくれた方もいるのではないでしょうか。

戦いごっこの年齢別の目的

2歳児

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遊びの目的、遊びを通して何を学んで欲しいか、というのは年齢的な違いもあります。それぞれの年齢でのおおよその目的と配慮を紹介します!

真似っこが好きになってきた2歳児さんであれば、動作や決め台詞を「真似る」こと自体が、動きに必要な身体の動きを獲得することにもつながりますし、想像する力も身につきます。

この頃はまだ、自分の動きやセリフが大切な時期なので、お友だちと戦いごっこをするというよりは、自分の世界の中で身体を動かして、敵と戦っていることが多いでしょう。

なので、おもちゃが広がっていないか、周りに危険な物がないかを確認して遊ぶことができるとケガの心配はぐっと減ります。

3歳児

3歳児さんにもなると、動きはとても上手で機敏になっていると思います。お友だちが始めると自分も一緒になってしてしまう頃なので、ケガの心配が大きい時期とも言えます。

3歳さんは見た目をもっとヒーローみたいに!という欲求が出てくるので、ブロックなどで剣やロボットを作ったりすることもあるでしょう。2歳児さんとの違いはお友だちが側にいることと、玩具を一緒に使ってしまうことです。

賛否の分かれるところなのですが、玩具を使ってはいけない!とは決め付けられないと筆者は考えています。子ども達が憧れのヒーローになる為に「剣があったら格好良いな」、「ロボットがいればもっと悪いやつを倒せるのに」と色々な想像をして、それを身近な玩具を使って作りだした作品とも言えるからです。

この頃の配慮としては、やはり危険な物が周りに無いかを確認することと、1人だけではないので、戦いごっこをしている子ども達の人数に見合う広さがあるかも大切になります。

身体の動きも大きくなっていますし、お友だちと一緒だと白熱してたくさん動いてしまうので、皆と一緒の場所よりもコーナーで区切ってあげたり、室内よりも屋外、屋外なら公園などがより安全かなと思います。

4、5歳児

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4、5歳児さんにもなると、おままごとでも同じことが言えるのですが、配役をしっかりと決めストーリーを皆で話しながら進めていきます。

現場で見てきた感覚で言うと、男の子は皆で「倒すべき悪いやつ」を決めて、それぞれの好きなヒーローに変身して皆でやっつけにいく。という遊び方でしたね。

悪いやつは、誰かが演じるのではなく、基本的には架空のもので、やったとしても先生とかが勝手に配役を決められて遊ぶ感じでした。女の子は、前に見たアニメのストーリーを皆で演じていることが多かったように感じます。もちろんこれらも個人差がありますが。

4、5歳児さんの場合には、安全な広さを用意してあげることでケガはほとんどありません。ただし、白熱する中で手が当たってしまったり、好きなヒーローがかぶってしまった時などにトラブルに発展することがあります。

そうしたトラブルも学びの一つなので見守ってあげながら、どうしても収集がつかない場合に話しを聞いてあげると良いでしょう。

戦いごっこをする理由

子どもになんで戦うのかを聞いてみよう!

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大人は子ども達のことを思って、子どもの考えを推測したり、危険から未然に遠ざけてあげようとしたりしますね。もちろんそうした配慮はとても良いことなのですが、ついつい子どもの声を聴き忘れてしまったりすることがあると思います。

「戦いごっこ」など、大人が首をかしげてしまう様な遊びなどをしていたら、止めてしまう前に子どもに理由を聞いてみることをおすすめします。

保育園で子ども達に聞いてみると、2、3歳児さんだと「格好いいから!!」と、思わずそのキラキラした瞳に納得してしまいそうな返答が返ってくる事もありました。

4、5歳児さんだと「〇〇はね、地球を滅ぼす悪いやつを倒してくれるから好きなの!」なんて、純粋な憧れの気持ちを、その子たちそれぞれの言葉で返してくれました。

体力が有り余っているから、というのはあくまで大人の視点だけなのかなと思ってしまいますね。子ども達に理由を聞いてみて、そこにある憧れや尊敬の気持ちを受け止めてあげる。

それでも、やっぱり安全面やお友だちのトラブルになって欲しくないから、うちでは禁止にします!ということなら、ご家庭の子育て観を大切にして、しっかりとそのことを子ども達に伝えてあげると良いと思います。

まとめ

今回は「戦いごっこ」について、保育士ならではの目線で書かせて頂きました。筆者は「戦いごっこ」は賛成なので、子ども達に挑まれたら本気で一緒に遊びます。

安全な広さのある場所で、一緒になって芝生で転がったり追いかけたり、配役になりきって遊ぶことができる。そうした魅力もあるものだと思っています。

今回の記事を読んで「戦いごっこ」も良いじゃないか!と思ってもらえればうれしいですし、それでもやっぱり嫌だなというのも、良いでしょう。

ただ、色々な疑問に対して、ただ否定するのではなく、その理由や発達がどのように促される可能性を秘めているのか、そうした観点もしっかりと目を向けた上で線引きをして欲しいなと思います。

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