お腹に赤ちゃんがいる時からお子さんのケアを始めましょう

赤ちゃん返りとは?

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赤ちゃん返りは卒乳・断乳後や弟や妹の出産、その他の出来事によるストレスや不安などが原因となって起こるものです。

よく見られる症状としては、それまでに出来ていたトイレトレーニングが急に止まったり出来なくなってしまったり、食べていたものを食べなくなったり、感情的になるなどがあります。

第2子の出産を経験された方で上のお子さんが赤ちゃん返りをしたという方も多いかと思います。やはり保育園でも赤ちゃん返りによる相談や、出産を控えて不安に思う気持ちを伺うことが多々あります。

子どもは、妊娠中からママの変化に気付いています

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さて、赤ちゃん返りが起きた時にもし第2子の出産が原因になった場合に、その症状が現れるのはいつ頃でしょうか?

分娩や産後の入院によってママと離れる時間が出来たときでしょうか?実際にお家に赤ちゃんがやってきて、今まで自分に向けられていた注目がどうしても小さい赤ちゃんに向けられやすくなることを実感した時でしょうか?

実は出産による赤ちゃん返りの場合には、出産前から症状が出やすいのです。

出産は、ママもお腹の赤ちゃんもちょっとした不注意やどうしようもない理由で、命の危険がつきまとう大変なことです。

お腹に赤ちゃんがいると分かれば安静にしたり、お腹が大きくなるとお子さんを抱っこしてあげられなくなったり、一緒に遊ぶことが難しくなってしまうことがあります。

こうしたママの変化や、支えるパパや祖父母などの変化を子ども達はどんなに小さくても感じているのです。

出産前から子どものケアを!

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赤ちゃん返りのケアは実は出産後よりも、出産前からしていくことが必要だと筆者は考えています。

例えば大きくなったお腹を触らせてあげる時に「赤ちゃんと仲良くしてあげてね」と言うのも大切ですが、そうした期待と一緒に「赤ちゃんが生まれてもママもパパも〇〇のことが大好きだからね」と声をかけましょう。

自分のことをママもパパも想ってくれている!と感じることができる声かけをしてあげることは、とても大切なことだと思います。

「ママひとり占めタイム」を作ってみましょう

1日の中で少しでも上の子がママと2人になれる時間を

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産後の赤ちゃんのお世話はとても大変ですね。ミルクも頻繁にあげなければならないし、睡眠も不安定な赤ちゃんは、ママや家族が寝付いてからも夜泣きがあったりと休む暇もありません。

そんな忙しい中で、だからこそ1日の中で20分ほどで良いので上のお子さんとママが2人きりで過ごせる時間を作ってあげて欲しいなと思います。名づけて「ママひとり占めタイム」です!

赤ちゃんが泣いてしまった場合には、パパや祖父母にお世話を任せて(勿論緊急時には仕方ないこともあります)大好きなママを独り占めにできる時間を作ります。

子ども達は、大人の注目がないと不安になります。赤ちゃんはその注目をひく為に泣いて表現をしますね。

大きくなると次第に泣いたりして表現をすることも減り、成長したのだなと考えがちですが、それは不安を目に見える形で表現をしなくなったのであって不安や寂しさを感じなくなったわけではないのです。

たくさんスキンシップを!

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「10分抱っこ法」を知っている方も多いと思いますが、ママひとり占めタイムでもたくさん抱っこをしてあげて欲しいです。

人はスキンシップを10分ほど続けると「幸せホルモン(オキシトシン)」が体内で分泌され、幸福感や安心感を得ることができます。これはお子さんだけでなく、赤ちゃんのお世話が大変で疲れてしまっているママにも当てはまります。

下の弟妹ができて「お兄ちゃんだから泣かないよ」、「お姉ちゃんだから一緒に遊んであげるの」と言ってくれている子どもの気持ちに偽りはないのだと思います。

けれど、その感情と共に「もっとママに見て欲しい」、「ママに抱っこして欲しいのにな」と寂しさを感じているのも目を背けてはいけない事実だと思うのです。

そんな子ども達の欲求を1日の中で少しでも満たしてあげることで、「今日も頑張って良かったな」、「ちょっと寂しいけど明日も頑張ろう」と子ども達が思えるようにしてあげましょう。

また、ママひとり占めタイムはママからお子さんへの「ママはあなたを愛しているよ、とっても大切だよ」と言葉にして、スキンシップを図って伝える為の時間でもあることを忘れないでくださいね。

意識して子どもの「名前」を呼ぶようにしましょう

「お兄ちゃん」、「お姉ちゃん」はお子さんの「名前」ではありません。

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下のお子さんができた時に上のお子さんに本当に無意識に「お兄ちゃんだもんね」、「お姉ちゃんだから」と名前ではなく「お兄ちゃん」、「お姉ちゃん」と呼んでしまったりしますよね。

もちろんそうした声かけをする中で、兄弟姉妹の関わりや立場(と言ってしまうと固いのですが)を理解することもとても大切なことです。

ですがやはり「お兄ちゃん」、「お姉ちゃん」と呼ばれるよりも、ママとパパがたくさんの願いを込めて、たくさんたくさん悩んで自分の為だけに与えてくれた「名前」を呼んであげることを忘れてはいけないと思うのです。

子どもの立場に立つことも大事

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子どもとの関わりの中で一番大切なことなのに、ふと忘れてしまいがちなのが「子どもの立場にたつ」ということのように日々感じています。

きっとママパパも思い当たることがあると思いますし、保育の専門家だなどと呼ばれる先生達ですら、正直いつの間にかそのことが頭からなくなっている時があります。

「お兄ちゃんだから~~しなさい!」と叱ったり、「お姉ちゃんは本当に凄いねえ」と褒めてあげる時に、大人からすればそれは確かにお子さんのことを言っているのですが、子どもの立場に立つとどう思うでしょうか?

きっと「お兄ちゃん」、「お姉ちゃん」と言われるよりも自分だけの大切な名前で呼ばれるほうが、より自分に対して言っていると実感できると思いますし、反省や喜びも大きくなるのではないかなと思います。

ふと毎日の生活を思い返してみて「そういえば最近お兄ちゃんお姉ちゃんって呼んでいて、〇〇って呼んであげてないなあ」と思ったら、意識的にお子さんの名前を名前を呼ぶようにすると、もしかしたら赤ちゃん返りの中でも子ども達の行動に違いがでるかもしれませんよ。

まとめ

新たな生命の誕生はたくさんの感動と、たくさんの大変さがつきもの。

それは小さい子ども達にとっても同じで不安になったり寂しくなったりして、「ほんの少しだけ自分も赤ちゃんみたいになってママやパパに見てもらおう」と思うこともあるのかもしれません。

そんな赤ちゃん返りの時には「お子さんとの時間は取れているか」、「名前で呼んであげているか」など生活を振り返ってみることをおすすめします。

赤ちゃん返りは一時のことです。必ずまた元のように、それ以上に成長をしていきます。そんな子ども達の「心の休息」もしっかりと理解してあげながら、かかわり方を工夫してあげてください。

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