【1】すごいね!
「すごいね!」はどんな時でも使える魔法の褒め言葉

「子どものやる気を引き出す3つの魔法の言葉」1つ目は、パパママも何気なく使っていると思いますが、この言葉です。
「すごいね!」です!!
え、それを言っても家の子どもはやる気出ませんよ。と思ってももうしばしお付き合いください。
この言葉の凄さは2つあると個人的に思っていて、まず「何気なく」誰もが使う、誰にでも使える褒め言葉であるということです。
そして、例えば「◯◯ちゃんはおしっこ行けてすごいねー」、「◯◯ちゃんサッカークラブに入っているんだってね。すごいねー」のように「~~ですごいね!」とどんな状況でこの褒め言葉を使っても「すごいのは◯◯ちゃん」であると言うことです。
「~~ができることがすごい!」のではないのです、「~~ができる、◯◯ちゃんがすごい!」のです。
良いタイミングで言うことが大事
そんな魅力が凝縮したこの言葉。何気なく使うのではなく、子どもの欲しい状況で使うことができたら良い方向に進んでいくとは思いませんか?
例えば着替えのシチュエーションで考えてみましょう。着替えに時間がかかってしまっていて、もう何度も声をかけたけど動いてくれない。しびれを切らし、叱ってようやくすることができた。そこで「着替えられたねすごいね!」ではどうでしょう?
そう褒められてはいるのですが、その前の段階で叱られてしまっていてはうれしさも半減ですね。ここでのタイミングとはこういうことを言っています。
じゃあどのタイミングで褒めることができていたら子どもはうれしくて「やる気スイッチ」がオンになるのかと言うと。
いつも着替えに手間取るお子さんが洋服を手に持った瞬間「◯◯ちゃんお着替えするの?すごいね!」です!もしかしたら子どもは着替えたくないし、手持ちぶさたで手にとって見ただけかもしれません。でも良いのです。「え、手に持ったら褒められた・・・」なんてとまっどている内になんとなく手を入れてみた、その瞬間「もう手が入っちゃったね!◯◯ちゃんの手出てくるかな?出てきたすごいねー!」です。
そう、褒めるのは実は後手後手ではなくて、先手を取ることが大切なのです。私たち大人にとっては着替えることは当たり前のことです。ですが子どもにとっては、まだ手先の器用さが足りていなくて難しいこともあるし、そもそも着替える理由である清潔にすることが理解できていません。
「すごいね!」はもちろん何かが出来た時に言うのも効果ありなのですが、何かをし始めたその瞬間に言うことで「子どものやる気を引き出す魔法の言葉」に変わるのです。
【2】うれしいな!
「うれしいな!」は大好きな人が喜んでくれる喜びを感じる魔法の言葉

「子どものやる気を引き出す3つの魔法の言葉」2つめは「うれしいな!」です。
子どもにとって1番うれしいことって何でしょう?
新しいおもちゃでしょうか、大好きなハンバーグでしょうか、跳べなかった跳び箱がとべるようになることでしょうか?
どれも子どもにとって本当にうれしいことだと思います。ですが、それらよりもっとうれしいことが子ども達の身近にあるのです。それが「大好きなパパママに認めてもらえる」ということです。
これは子どもの頃から大人になっても人が持っている「承認欲求」というものですが、子ども達にとっては「パパママが自分を認めてくれること」であると解釈してください。
子どもにわかりやすいように言葉で
そんな、認めてもらえているということを子どもでも分かる言葉で簡単にできるのが「うれしいな!」という魔法の言葉なのです。
お着替え早くできてママうれしいな。ママのこと大好きって言ってくれてパパもうれしいな。跳び箱飛べるようになったんだね、◯◯ちゃんがいっぱい頑張ったこと本当にうれしいな。
「うれしいな!」という言葉一つで、それまでの頑張ったことや、悔しかったこと、楽しかったこと、全部を含めて自分のことをパパママが認めてくれているという気持ちになりますよね。
子どもはよく落ち葉とかどんぐりとかを「お土産」として持って帰ってきてたりしますよね。子ども達とどんぐり拾いに行った時には1つ見つける度に「どんぐり見つけたよー!」と走って見せに来てくれました。そして笑顔いっぱいでこう言うのです「これパパママにあげるのー!プレゼントー!」。あの笑顔の中ではきっと大好きなパパママがプレゼントをもらって「うれしいな!」と喜んでいる姿が見えているのだろうと思いました。
子ども達は大好きなパパママに喜んでもらう為にたくさんの努力をしています。着替えもそう、食事もそう、スポーツや習い事も、その努力の先には大好きなパパママの笑顔と承認があるのだと思います。
【3】教えて!
「教えて!」は子どもの自尊心をくすぐる魔法の言葉

さあ「子どものやる気を引き出す3つの魔法の言葉」もいよいよ3つめです。今度は子どもの自信をくすぐる魔法の言葉「教えて!」です。
子ども達は普段、まわりの大人に対して「私(僕)の知らないことを教えてくれるパパママ(先生)はすごいなあ」と感じています。そんな関係が一時だけでも反対になるとしたらうれしいし、きっとそのことに対して自信を持つことができますよね。
現場でRyUが実践した例を1つあげましょう。
当時2歳児クラスを受け持っていましたが夕方に5歳児クラスに入ることになりました。いつも来ない先生がいることで子ども達も楽しそうで何よりなのですが、明らかに出している玩具の量がすごく多い・・・。
普通にお片づけの時間を知らせても間に合わないと思ったので、お片づけの時間の少し前に「5歳児クラスさんてお片づけは何時までにするんだったっけ?教えて!」と皆に聞きました。
すると遊んでいた子どもが手を止めて「~~時までだよ!先生知らないの?」と誇らしげに言います。そして「そうなんだ!教えてくれてありがとう。じゃあ、こんなにいっぱい玩具出ちゃっているけど皆なら~~時までにはきれいに片付けられるよね!」というと子ども達は自信満々に「できるよ!」と言って遊び始めました。
その日はその後クラスの子どもの1人が「そろそろ片付けないと!」と時計を見て言い出したのをきっかけに一斉にお片づけが始まり、時間を余して絵本が1冊読んであげられるくらい上手に片づけができていました。
行動を促したり何かを覚えてもらいたい時にも使える
例は5歳児さんのお片づけになってしまいましたが、どんな場面でも良いのです。乗り物が好きな子どもに乗り物図鑑を見せて「これは何ていうの?教えて!」と言うのも良いでしょう。歌やダンスが好きな子どもなら「その歌いいね、覚えたいから歌っておしえて!」、「ダンス教えて!一緒におどりたいな」でも良いでしょう。
また、何かができることに自信を持ってもらう上記の様な例ではなく、何かを覚えて欲しい時にも使えます。
色を覚えたての子どもに赤いボールを見せて「これ何色だったっけ?教えて!」と言うのも子どものやる気スイッチが入ります。間違えて覚えてしまっている色の確認にもなりますし、知らない色を知ってもらうこともできます。
「教えて!」という言葉は子どもの自信を育み、成功体験も増やすことができる魔法の言葉なのです。
まとめ
今回は「子どものやる気を引き出す3つの魔法の言葉」ということで「すごいね!」、「うれしいな!」、「教えて!」の上手な使い方を考えてみました。
日本語は多彩で、時と場面によってニュアンスに違いが出てきたりもします。
子どもが何かをする時に。子どもが何かできた時に。子どもに自信をつけてもらいたい時に。その場に合った、子どもが欲しいと思っている褒め言葉を使うことができると、まるで魔法の様に「やる気スイッチ」に切り替わって子ども達がいきいきとしてくることでしょう。
どこの地域でも使えるように褒め言葉の代表的な3つを選びましたが、方言でも良いでしょうし、普段から使うようにしている子どもが「今は褒められている」と実感できる言葉があればそれらで代用してくださいね。
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