【1】具体的な説明では理解が難しい頃の対応|2歳頃
何度も答えてあげることが大切
これだと理論的には説明できていませんね。
ただ、この頃の「なぜ?」に関しては、多くが物や事象(雨が降る、葉っぱが落ちる、空が晴れる)の理由を知る為ではなく、「なぜ?」と言うことで大人が返答をしてくれるという、言葉のやりとりを楽しんでいる時期になります。
なので、どれだけ丁寧に答えても何度も同じ質問をしてきたりします。
それは言葉を理解できなかったのではなく、パパママが悩んでいる顔やしぐさ、質問と返答という言葉のやり取りに興味を抱き楽しんでいるからなのです。
ここで大切なのは何度でも答えてあげるということ。一番の不正解は「前にも言ったでしょ!」と答えてあげなくなることだと筆者は考えています。
この頃の「なぜ?」にしっかりと答えてあげることで言語でのコミュニケーションが上手になります。後々に疑問を未消化で終わってしまわないで、しっかりと質問ができる子どもになります。
歴史的な人物でもあるエジソンは子どもの(小学生)頃に授業の全てに「なんでそうなるのですか?」と疑問を投げかけ先生を困らせたという逸話があります。
そこには探究心と好奇心をしっかりと幼少期から育んだ家族の丁寧な対応があったのではないかと思うのです。
【2】自分と同じ事なら分かる頃の対応|3歳頃
なぜ?の連鎖に根気よく付き合って
この回答では、雨は雨雲からできることや、雨水によって草木が育つことも、具体的にではないですが説明をしています。
2歳さん頃との違いは、言葉のやり取りだけでなく、少しずつ好奇心や探求心による「なぜ?」という疑問が出てくるところです。
この頃の「なぜ?」はよく連鎖します。笑
さっきの回答の直後だと「なんでお花や葉っぱが嬉しいの?」と続いて、「お花や葉っぱはお水を食べて元気になるからだよ」、「なんでお水しか食べないの?なんで?」といった具合に続いていくかもしれません。
全ての年齢に大切なのは疑問に答えてあげようと努力することだと思います。
時間の許す限りでいいので、子どもの「なぜ?」の連鎖にどんどん答えてあげましょう。
この頃になると少しずつ理解力が高まるので、興味を抱いたものに関連した絵本などを一緒に探して読んであげるのも良いと思います。
絵本は魅力的な物語だけでなく、発達に合った興味関心に対して答えてくれるものも沢山あります。
虫や動物の生態に関して興味を持ったら図鑑を眺めてみるのも、子どもの探求心を強くしてくれることでしょう。
【3】簡単な言葉であれば理解ができる頃|4歳、5歳頃
事実を伝える具体的な説明を簡単な言葉で

4、5歳さん頃になると段々と理解力が高まり、理論を交えた説明が可能になってきます。
せっかくなので「雨がなんで降るの?」の理論的な答えを書きます。
「雨とは。地球上の水分(地中や空気中、海、川など)が自然と蒸発し水蒸気となり、上空でその水蒸気が冷やされ水や氷の粒となってそれらが集合したものが雲になります。
雲の中では集まってきた水や氷の粒がぶつかりくっついて、大きな粒が形成されていきます。大きくなった粒は重くなるので空から落下していきます。
これが冷たい上空から温かい地上付近で溶けて水になったものが雨、氷の粒のままで地上に到達したものが雪(雹など)となるのです。」
勿論このまま伝えても子どもは「え?」っとなります。ですが4、5歳にもなると簡単な言葉に変えてあげると自分なりに解釈をして理解することができます。
そこでいざ説明しようにも、大人が理論を理解していなかったら説明ができませんね。なので、少し難しいですがかいつまんで雨についての説明を入れました。
この頃の「なぜ?」に答えるコツはずばり大人がきちんと理解して、簡単な言葉で説明する!です。
上の理論も考えながら簡単な言葉に変えて「雨はなんで降るの?」にどのように返答すればよいでしょうか?
保育士なりに答えるとするならば「皆(子どもさんの名前)の周りにも沢山の水があるよね。海とか川とか、洗濯物や地面の中、見えないのだけれど空気の中にもたくさんの水が浮いてるの。
水がお空に飛んでいくと水蒸気って言うものになって、水蒸気が集まって大きな雲ができる。雲の中でできた雨が落ちてきて、またその水がお空に飛んでいって雨が降ってっていうのを繰り返しているんだよ」というのはいかがでしょう。
わからなければ一緒に調べてから簡単な説明を
実際には空に飛んでいって水蒸気になるのではなく、水蒸気となって空に浮かんでいくのですが、見ることができない水蒸気という概念はまだ少し難しいので前後の関係を少しいじってしまっています。
ポイントをあえてあげるとするならば、子どもが初めて聞く単語はできれば1つか2つくらいにして説明することでしょうか。
あまりにも知らない言葉がでてきてしまうと「ぼく(わたし)には分からないや」と興味を失くさせてしまうこともあるからです。
また聞かれた質問に大人が上手く答えられない場合には「よくそんな疑問が出てきたね!パパやママも分からないから今度一緒に調べに行こうか!」と言って、図書館や体験型の施設などに行くのも良いでしょう。
まとめ
子どもの「なぜ?」には言葉のコミュニケーションを楽しむ側面と、物や事象への好奇心や探求心の表れである2つの側面があります。
こういった疑問の形成にも個人差がありますから、一概にこの年齢にはこの対応がベストです!とは言えませんが参考にしてもらえると嬉しいです。
言葉のコミュニケーションを楽しむ2歳頃には、やり取りの中で新しい言葉を獲得したり、後の好奇心や探求心の芽生えに関わるので何度でも答えてあげることが大切です。
少し理解力がついてきた3歳頃には、人の様に例える擬人法を使って簡単に説明をしてあげましょう。
好奇心と探求心、理解力もついた4、5歳頃には説明する大人がしっかりと理解をして、それを簡単な言葉に変えてあげることで疑問に答えましょう。
疑問は新たな発見や理解への扉の様なものだと思います。「そういうものなの!」、「そんなこと気にしててもしょうがないでしょ」と扉を閉ざしてしまうことだけはしたくありませんね。
パパママの都合もあるでしょうから負担のない範囲で子どもの疑問を大切にしてあげられる子育てが理想なのかなと思います。
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