年齢別トラブル・ケンカの解決(1)1歳さんの物の取り合い

基本は見守り ケンカをさせない環境を作りましょう

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だんだんと好きなおもちゃが決まってきて一人でそのおもちゃに没頭する様子が見られるようになった1歳児さん。この頃の遊び方を専門的な言葉では「1人遊び」といいます。

その名前の通りに1人(もしくは信頼関係の出来た大人と共に)で遊ぶ時期であり、基本的には自分の遊んでいるおもちゃにしか意識はいっていません。

なので同じ部屋で違うおもちゃを使って遊ぶ子どもがいても基本的にはケンカ・トラブルは起きません。この頃のケンカ・トラブルはそのおもちゃに飽きたり、他のおもちゃに興味がそれた時に起こります。

おおよそ3歳までの子どもは他者にも感情があることを理解できていない「自己中心的」な存在であるとされています。なので極端に言うと私の(僕の)目に写るものは自分のものとしか見えていません。

今さっきまで遊んでいたぬいぐるみは自分の物だし、向こうで誰かが遊んでいるブロックも自分の物だと考えているので「使いたいな」と思ったら取ります。笑

そしてそれはお友だちも同じなので、さっきまで遊んでいたブロックに飽きて、周りを見渡したら誰かがぬいぐるみで遊んでいるのを見つけて「使いたいな」と思ったら自分の物と考えているので取ります。

相手が泣こうが怒ろうが「なんで泣いてるのだろう?」ってなものです(発達上は何で泣いているのかを考えることもしません)。

これは子どもの心理の発達が未熟な為に起こるトラブルなのでどれだけキツく叱っても、どれだけ言い聞かせても理解することはできません。

とはいえ相手に伝える言葉もまだ持たない1歳児さんは口や手を出すことで「嫌!」という意思表示をします。

そこで周りの大人にできるのは、子どもが十分に遊べるだけのおもちゃを用意したり、いくつかの種類のおもちゃを同時に用意してあげることです。

1歳くらいの子どもであれば大量のおもちゃを1人で使うことはまずないので、一緒にいる子ども達の手に十分に行き渡るくらいのおもちゃを用意することでケンカ・トラブルを事前に回避することができます。

それでもどうしてもケンカ・トラブルはおきるもの。1歳児さんの場合にはトラブルにならないだけのおもちゃを用意して、もしもの時には大人がトラブルになる前注意をそらしたり、物理的な距離を置くことで解決することが大切になります。

(2)2歳さんの取った取られたトラブル

第三者の視点でどちらの言い分も聞きましょう

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2歳児さんになると大分言葉も喋れるようになってきて簡単な要求や拒否はできるようになります。

「それ僕の!」、「嫌!!」と言葉で伝えようとしますが上手く相手に伝わらなかったり、使いたいと思う気持ちの方が勝ってしまって物を取ってしまうことでケンカ・トラブルとなります。

また順番待ちも少しずつ練習していく時期なので自分のしたい気持ちと、自分を抑制する気持ちとが強く反発しあう時期でもあるのではないかと考えています。

そんな2歳児さんはケンカ・トラブルや、相手に物を渡してあげる、順番を守るなどの成功体験をたくさん積むことで成長する時期でもあります。

ですので物の取り合いや順番の取り合いも必要な体験の一つとなります。ここでも大切なのは相手を傷つけたりしないように親がしっかりと、手や口が出てしまう場面では止めることが大切です。

やはり怪我は、ないに越したことがありませんからね。これは保育園だけでなく、子育て支援センターでも同様です。

そしてこの時期だからこそ大切にしたいのが「子どもの気持ち」です。ここれから「自己中心性」からの脱却をしていく2歳児さんの気持ちを大切にして聞いてあげて欲しいのです。

「○○ちゃんがしたかったの!」、「(おもちゃ取られて)嫌だった!!」そうした気持ちを大人がしっかりと聞いてあげる、言葉にしてあげる事で、自分の気持ち(意見)を表に出しても良いのだと知ります。

そしてその上で相手の気持ちを伝えてあげましょう。2歳児のケンカ・トラブル解決には大人の仲介が必須です。お互いの気持ちを簡単な言葉で伝えてあげましょう。最初は自分が自分がと言うでしょう。

でも、そうした経験を積んでいく中で相手の気持ちを考えることや、自分の気持ちを伝えることを学習していきます。

(3)3歳さんの「いじわるされた」トラブル

された気持ちと、してしまった動機を聞きましょう

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身体や心の発達が著しい3歳児さん。

1歳児さんの頃には「1人遊び」だった遊びの発達は、2歳児頃の「平行遊び(同じおもちゃ(遊び)を並んで別々にする時期)」を経て、好きなお友だちと一緒に何かをする「連合遊び」へと移行していく時期になります。

この頃になるとおうちでの会話でもたくさんのお友だちの名前が出てくると思います。筆者も保育園でも休みの話を聞いたりすると「スーパーで○○くんと遊んだ!」、「今度○○ちゃんのおうちに行くのー」とお友だちを意識した会話が増えてきます。

他児との接点が多くなるということは、自然とケンカ・トラブルも多くなっていきます。だいぶ達者に会話をするようになってきますが、まだまだ自分の気持ちを上手に伝えられるほど上手くはありません。

まだ相手の気持ちを素直に受け止めてあげられるわけでもありません。そんな3歳児さんに多いのが「いじわるされた!」と仲間はずれや、貸して欲しいと伝えたのにおもちゃを貸してくれないなどのトラブルです。

この頃には大人がしっかりと見守っていることを伝えてあげると子どもから相手に気持ちを伝えようとします。

もしその時に一方の子が遊びに夢中になっていたら「○○ちゃん、誰々ちゃんがお話があるみたいだよ?」と声をかけてしっかりと子どもが話せる雰囲気を作ります。

そこからはやきもきするでしょうが、しばらく見守ります。子どもなりに自分の気持ちを相手に伝えようと一生懸命工夫する姿を見てあげてください。それでも伝わらない時にようやく大人の出番です。

聞いていた状況や気持ちなどを分かりやすく伝えます。そしていじわるしてしまった子の気持ちも聞いて上げます。「○○ちゃんが好きだから一緒に遊びたかったの」などその子なりにやはり理由があります。

「なら取らないで一緒に遊んだらいいのでは・・・?」といった大人の理論は置いておきましょう。

理由を聞いて、次は「一緒に遊びたいからおもちゃ貸して?」って言うようにしよう。など、こうした方が良いという具体的な例を出してあげると分かりやすいでしょう。

(3)4、5歳さんの仲間はずれトラブル

自分の主張と相手の感情をしっかりと言葉で交換させましょう

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4、5歳児になると誰とでも仲良くするという「社会的な側面」と、この子が好きという「自分の気持ち」が共存してきます。

何度も話題に出した「自己中心性」から抜け出して少しずつ相手の感情を思いやることもできるようになっていきます。

それゆえに「こうしたらうれしい」と、「こうすれば悲しい」という相手の気持ちを考えた上でのトラブルが起き始めます。子どもからすれば自分の好きな子と遊びたいという気持ちは当たり前ですね。

ですが悲しいかな好きな子が好きでいてくれるとは限りません。時には一方通行の気持ちもあるのですが、保育園などでは集団生活の中での「社会性」の発達も大きな課題ですから「誰とでも仲良く遊びましょう」という方向に持っていきます。

ここまででなんとなく気付いたと思いますが、年齢が上がるごとに大人の役割は減っていきます。4、5歳にもなると、お互いが落ち着いてさえいれば自分たちで気持ちを伝え合ってトラブルの解決も可能です。

大人の役割があるとすれば、伝えきれない気持ちを最後に伝えてあげることや、話し合う様子を遠くから見てあげることです。

相手の気持ちが分かり、時には自分が悪いことをしてしまったことも分かっている場合があります。大人だって時には自分のミスから目を背けたくなる事だってありますよね。

子どもも同じ気持ちで葛藤するのです。そこで話し合いから逃げ出してしまうこともありますが、そうした時に一緒に聞いてあげたり、少しだけそのこの気持ちを吐き出させてあげてから、相手の子どもの元へ連れて行くと良いでしょう。

まとめ

トラブルが起きないように環境を作って、注意して見守る1歳児さん。伝えきれない気持ちを代わりに伝えながら、怪我のないよう見守る2歳児さん。

自分の気持ちと相手の気持ちを考えられるように仲介する3歳児さん。そして、子ども同士でトラブルの解決ができるように見守る4歳児さん、5歳児さん。

日常でどうしても起きるケンカ・トラブルの中でも子ども達は、色々な経験をして育っていきます。大人の手が段々とかからなくなってくるのはうれしいことですが、どことなく寂しさも感じてしまいますね。

どのケースでも重要なのは気持ちを認めてあげることです。それが基盤としてあって、相手の気持ちがあり、そして伝えたい合理的な行動があるのです。

子育ての中で忘れてはけないのが褒めること。トラブルが解決した時や、トラブルにならないように工夫している時にはすかさず褒めてあげてあげるようにしましょう。

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