色々選べる出産形式
スイスでの自宅出産

以前、筆者の出産体験談をご紹介しましたが、これはスイスではごく一般的な出産形式になります。日本と同様に、その他にも様々な出産形式があり自由に選ぶことができます。
その中でも特に気になるのがHausgeburt(自宅出産)です。日本でも自宅出産を選ばれる方はいると思います。スイスでも同様で、助産師さん(Hebammeヘバンメ)に家に来てもらう事になります。
筆者の知り合いで、車乗り入れ禁止の村に住んでいる友達は、出産の為に陣痛が来てから麓まで電車で降りるのが不安で自宅出産を選んだそうです!
ただ、やはり来てくれるHebammeを探すのが大変だったとか。交通の便は妊婦さんだけではなくHebammeにとっても重要なんですね。
そんな中近所の農家のおばさんから、「いざとなったらうちで見てあげるよ。牛だけはたくさん取り上げてるからね!」と頼もしい(?)発言!しかしこれは冗談ではなく、はるか昔は多くの農家がHebammeも兼業していたそうです。
とっても気になる!スイスでの出産費用と国籍について
出産費用は請求書が2枚?

スイスでの出産費用は全て保険で賄われるというお話は以前ご紹介しました。実際いくらくらいの費用がかかるのでしょうか?退院してしばらくすると病院から明細が送られてきました。
スイスでは病院にかかる場合、たいていが後日郵送で請求書が送られてきて精算します。病院では保険のカードを提示するだけで、あとは手ぶらでOKです。保険の話をしだすと長くなってしまうので、また別の機会に。
で、出産にかかった費用ですが、なんと驚くことにたったの4800フラン!(1フラン約113円 2016年2月現在)
もっとすごい費用がかかっているつもりでいたので、少し拍子抜けでした。これでは日本の出産費用と大差ないくらいですね。
ところが、更に後日もう一枚明細が送られてきて、4600フランの文字!そこには子の誕生、入院、検査費用と記されていました。
筆者は陣痛促進剤→PDA(無痛処置)というフルコースの後の帝王切開で、それこそまさにフルコースの技術を受けたのですが、それでも4800フラン。そして子の明細を見ると、出産、入院、検査等々、ごく普通の処置で4600フラン。とってもおおざっぱ!計算式が気になるところです。
合計で10000フラン未満、約100万円位ですので、ちょっと国際出産かんがえてもいいかな?と思える費用ですね。
外国人がスイスで出産した場合の国籍は?
アメリカなどはその国で出産した場合、誕生した子どもには自動的に国籍を与えられる事で知られています。ではスイスはどうでしょうか?
スイスでは「Recht des Blutes」血の掟と呼ばれる血統主義が採用されており、自動的に国籍を与えられるのは親子関係に限られています。外国人は帰化申請することによってのみ国籍を得ることができます。
という事で、外国人がスイスで出産をしただけでは、残念ながら国籍は自動的には与えられません。
まとめ
スイスの出産のまとめをご紹介しましたが、いかがでしたか?出産費用が意外に安かったのには驚きでした。
ご紹介した出産施設以外にも、少数ながら助産院(Geburthaus)などもあり、アットホームな出産できるとして支持している人もいます。...が、産院を選ぶポイントで重要なのは「どこが一番近いか」という事です。
なにしろ、病院まで遠い場合がほとんどなので。やはり、陣痛が起きてすぐにかけつけられるのが、一番重要なポイントです。そうでないと、冗談ではなく近所の農家のお世話になってしまいそうです!
次回からもスイスならではの子育て事情を、どんどんご紹介していきます。
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