【1】上の子どもが赤ちゃんがえり!どんな症状?どんな対処法がある?

【1-1】今まで自分でできていたことができなくなる

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妹や弟が生まれて、お兄ちゃんお姉ちゃんになった子ども達が、今まで自分でできていた着替えや排泄といったことができなくなることがあります。

中には
「今までトイレでおしっこもうんちもできたのに、おむつをしてほしい、そして、赤ちゃんのような体勢で換えてほしいというようになった」
「ごはんを食べず、哺乳瓶でミルクを飲みたいというようになった」
「バブバブ、ウマウマ、と言ったり、歩けるのにハイハイするようになった」
というようなものもあります。

赤ちゃんのことで手いっぱいのママには、本当につらい訴えなのですが、この時に手伝ってやったからと言って、本当にできなくなるわけではないのです。ですから、こんなときは「そうだよねえ」とまず、子どもの心や行動を受け止めてから、要求をかなえてやることが、一見、煩わしいように感じるのですが、一番の近道です。赤ちゃんのような行動をしている子には「そうだよね、○○ちゃんもかわいいよね。赤ちゃんの時も今も、とってもかわいいよ」と声掛けをしてあげましょう。

【1-2】赤ちゃんと同じにしてほしい

お兄ちゃんお姉ちゃんの中には、「私も赤ちゃんと同じにしてほしい」という子も。

例えば、小学生の子が「赤ちゃんと同じように抱っこしてほしい」と言ってみたり、もう、卒乳して長い期間経つ子が「僕もおっぱいを飲みたい」と言ってみたりします。

これも赤ちゃんがえりの一つです。ママにとっては大変な負担なのですが、できるだけ、子どもの要求をかなえてあげることが近道です。安心すれば、子どもは徐々に普段の姿に戻っていくものです。中には、赤ちゃんとお兄ちゃん、お姉ちゃんのタンデム授乳になってしまう人もいるのですが…。

【1-3】今まで平気だったことを怖がるようになる。

今まで、大丈夫だったことが急に怖くなることも。

昨日まではビュンビュン立ち乗りしていたブランコなのに、「怖いからママが押して。抱っこして乗ってほしい」と言ってみたり、「お散歩に行くのが怖い」「夜、寝るのが怖くて嫌だ」と泣き叫んだりします。

この行動は、子どもが自分から親の手が離れていくのを感じて、独り立ちしなくてはいけない、と感じていることの現れです。子どもでなくとも、新しい環境、新しいことに挑戦するのには勇気がいります。ですから、怖い、と言っていることは臆病なのではなく、挑戦しようとしていることの裏返しだと思いましょう。

「そうだね、怖いね。でも、やろうとしたのはえらいよね」とほめてあげ、できないことを無理強いするのはやめておきましょう。

いつでもママやパパが自分のことを助けてくれると分かった時には、自分から踏み出せるようになりますので、心配はいりません。

【1-4】突然、何もないのに泣き出す。

いろいろなことがよく分かっている子や、小学生や中学生など、大きいお兄ちゃんお姉ちゃんにもよく見られるものです。

夜、夕食の席で突然泣き出してしまったり、学校、幼稚園で突然泣き出してしまう、ということもあります。
今まで、全く泣くタイプの子ではなかった子が、突然泣きだすということもあるようです。

このタイプは、ママやパパが赤ちゃんのことで忙しいのが分かっていて、普段は普通通りにふるまっている良い子に多いタイプです。わがままを言ってはいけない、と普段は我慢しているのですが、我慢しきれなくなって、泣いてしまうのです。

その場では「なんで泣いているの?」と聞いても答えられない子も多いので、無理に理由を聞かず、そっとしておいてあげましょう。一回、赤ちゃんを別の部屋などに置いて、抱きしめてあげる時間を取るなどすると、子どもも安心します。

ママやパパが大変なのが分かっている子たちなので、時間が経ってもママやパパには本心を打ち明けないかもしれません。おじいちゃん、おばあちゃん、おじさん、おばさん、担任の先生など、親も子も心をひらける大人が近くにいる場合には、そうした人たちに様子をそっと見守ってもらうのもいい方法だと思います。

【1-5】幼稚園や学校に行きたがらない

幼稚園や学校に行きたがらない、というのも赤ちゃんがえりのよくある行動の一つです。

学校に行っている間でも保健室から連絡があり、「具合が悪いようなので迎えに来てください」と言われて、迎えに行ってみるものの、家に帰ってくると元気でピンピンしている、ということも。

学校や幼稚園で「お母さんが心配だから帰りたい」と先生に訴えたりするのもよく聞かれることです。

赤ちゃんがとても大切に扱われているのを見て、自分がこの家に必要ないのではないか、ママと赤ちゃんが家にふたりでいるときに何をしているのかが知りたい、と思っているのでしょう。そして本当に心優しい子の中には、ママが大変そうで本当に心配、という子どももいます。

そんなときは「ママは赤ちゃんと○○ちゃんのお洋服をお洗濯してるよ」とか「○○ちゃんのごはんを作ってるからね」と、声をかけてみましょう。自分の存在が家族の中にある、と分かるだけでも子どもは安心できるものです。

また、どうしても行きたがらない場合は、学校や幼稚園を1日くらいお休みしても、どうということはありません。ママと赤ちゃんがどのように暮らしているか、確認すれば安心することもあるものです。

このタイプで必要なのは、親の力だけでなく、学校や幼稚園の担任の先生の助力も必要です。家の状態をよく話した上でお休みすることを伝えたり、学校での様子を注意してもらうことなどが必要となってきます。

【1-6】突然乱暴になる

今まではおとなしいタイプの子どもだったのに、とても乱暴になってしまう、という子もいます。

赤ちゃんやママパパに対して、暴力を振るったり、汚い言葉を吐いてみたり。
また、幼稚園や学校で、先生やほかの子どもに対して暴力的になったりすることもあります。

このタイプは、最も親が心を痛めるもののひとつと言っていいでしょう。赤ちゃんのお世話で大変な上に上の子にひどいことを言われたり、学校や幼稚園から注意されたりすれば、ママの方も泣きたくなってしまいますよね。

このタイプの子は、上手に自分の心のもやもやを吐き出せない子だと思います。上手にお話ができる大きさでなかったり、逆によく分かっていて、ストレートに自分の不安や不満を表に出せない、ということも。

一旦、「つらいね」とか「さびしいね」とか子どもの心を受容する言葉をかけてから、「ママはこういうことをされると悲しいよ」と伝えましょう。少し時間がかかるかもしれませんが、きっと子供の心にも届くと思います。

【2】子どもの赤ちゃんがえりの対処法で気を付けることとは?

【2-1】赤ちゃんがえりを叱らない

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子どものいつもと違う行動が、赤ちゃんがえりなのかな、と感じたらなるべく叱らないでいることをお勧めします。もちろん、命の危険がある場合や人に危害を与える場合などは注意が必要です。

しかし、今までママやパパの愛情や手間暇を独り占めしてきた子どもにとって、それを奪われる体験は、とてもつらいものです。そこに、愛するママやパパからのつらい言葉が追い打ちをかけては、気の毒ですよね。

注意する場合でも「そうだよね」「大変だよね」「赤ちゃんの泣き声が大きくて、ちょっとうるさいのかな」「○○ちゃんもがんばっているよね」と、ひと声かけて、上の子の気持ちを受け止めてから、注意するようにしましょう。

【2-2】上の子と二人の時間を取る

上の子と二人の時間を取る。赤ちゃんがえりに抜群に効果のある方法だとおもいます。

しかし、赤ちゃんがいる家庭にとって、これほど難しいこともないのです。平日は大抵、パパは出かけていて、赤ちゃんと上のお子さんをママが見ている、という人も多いですよね。お仕事をされているママにはもっと、至難の業です。

赤ちゃんが泣いていると気になりますし、上の子も騒音と感じてしまうこともあります。赤ちゃんが危険ではない状態にしておいて、上の子を抱っこしてあげるだけでも、上の子たちの心は少しの間、安心します。「赤ちゃんは大丈夫。ママは○○ちゃんが大好きだからね」と抱っこしてあげると良いですよね。

【2-3】自分が緊急避難できる環境を作る

赤ちゃんがえりの対策は、赤ちゃんがえりする子にママがしてあげられること、で終わってしまうことが多いです。

しかし、実は、一番必要なことはママのケアではないかと思います。四六時中泣き叫ぶ赤ちゃんのお世話に、不安感でいっぱいの兄姉の心まで受け止めてあげるのは、本当に大変なものです。

近くにおじいちゃんおばあちゃんがいれば、そういった方々でもいいですし、地域の保健師さんやカウンセラーの方、小児科医の先生、学校・幼稚園の先生など、自分が心のうちを相談できる方を作っておきましょう。パパももちろん、最大の味方ではありますが、当事者でもありますから、頼れる第三者を作っておきたいところです。

【2-4】ママが100%できなくても大丈夫

赤ちゃんの世話に上の子のお世話、普段の家事、と赤ちゃんが生まれたばかりのママにはやることがいっぱいです。それこそ泣きたくなる時も多いのですが、そんなママたちに心に留めておいてもらいたい言葉があります。

幼稚園歴30年以上のベテラン先生の言葉なのですが、

「親が精いっぱいやれば、あとは子どもが補うから大丈夫」

というものです。

一生懸命なママは、あれもやらねば、これもやらねば、といっぱいいっぱいになってしまいます。でも、子どもは頑張っているママの姿をよく見ているものなのだそうです。ですから、ママがやってあげたくてできなかったことがあったとしても、足りなかったことは子どもが補っていきますよ、とその先生はおっしゃっていました。

赤ちゃんがえりのお兄ちゃんお姉ちゃんに100%良い対応ができなかったとしても、自分を責めることはありません。むしろ、そうした試練が子どもをより成長させてくれるものと思って見守りましょう。

【2-5】絶対に言ってはいけない言葉とは?

赤ちゃんがえりする子に対して、たったひとつ、絶対に言ってはいけない言葉があります。

それは
「お兄ちゃんなんだから~~しなさい」「お姉ちゃんなんだから~~しちゃだめでしょ」
という言葉です。

彼らは自分の好きで兄や姉になったわけではありません。でも、急に訪れた環境の変化に必死で対応しようとしています。その頑張りをくじくようなことはしたくないですよね。

会話の中でもお兄ちゃん、お姉ちゃんではなく、今まで通り「○○ちゃん」と名前で呼んであげるようにしましょう。

まとめ

赤ちゃんがえりする子への対処法、いかがでしたか?筆者も経験がありますが、赤ちゃん返りする子とお兄ちゃんお姉ちゃんになる子に泣かれたら、ほんとにこちらが泣きたくなります。

でも、いつか、赤ちゃんがえりはなくなっていくものです。ふと気づくと、お兄ちゃんお姉ちゃんらしくなった上の子の成長をうれしく感じられる日が来ます。いつなの~?という声が聞こえてきそうですが、周りの人たちにも上手に頼って、なんとか乗り切りましょう。

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