兜飾りの由来と選び方
兜飾りを飾るのはどうして?

奈良時代ごろ、中国から日本に伝わってきた端午の節句。当初は宮中での厄払いの儀式でした。
これが鎌倉~室町時代以降の武家社会になると、厄除けに使われていた菖蒲が「尚武(武を尊ぶという意味)」「勝負」につながるとして、男の子の無事と成長を願う大切な日になっていきました。
鎧兜は、戦場で武士が身を守るための非常に大切なもの。
端午の節句に鎧兜を飾るのは、「病気や災厄から守ってくれますように」「無事に成長してくれますように」といった願いが込められているのです。
また、武士の間では、端午の節句に安全を祈願して神社に鎧兜を奉納したり、災厄が家の中に入り込まないよう武具を外に飾る風習があったともいわれています。
兜飾りの種類と選び方のポイント

いざ兜飾りを買おうと思っても、人形専門店や通販サイトなどを見ると、種類が多くて目移りしてしまいますね。デザインや大きさはもちろんですが、お値段もピンからキリまであります。
兜飾りは、男の子の生涯の「お守り」であり、一生に一度の贈り物。真剣に、そして楽しみながら、じっくり選びたいものです。
ここでは、兜飾りの種類について、簡単にご説明します♪
①鎧飾り
鎧と兜がセットになった本格的なもの。両側に弓と太刀を飾るのが一般的です。豪華ですが、それだけに大きく、飾るのも収納するのも、ちょっと大変…。
お部屋の広さとよ~くご相談ください。
②着用鎧飾り
その名の通り、お子さんが実際に着ることができる鎧兜のセットです。
3~5歳くらいまで着られるサイズに多く、七五三の記念撮影にも使えますね。
③兜飾り
兜のみの飾りです。コンパクトなものから、お子さんが実際にかぶれるサイズまでありますよ。鎧兜のセットのものより、比較的狭いスペースで飾れます。
しかし、お値段はサイズに比例するものではなく、名匠といわれる職人のさんの作品や、精密な細工の施された伝統的なものは、かなり高価なことも!
④ガラスケース入り鎧兜
収納も飾り付けも楽ちん♪ ガラスケース入りの鎧兜です。兜だけの商品もあります。
手狭なマンションなどにで飾るのにぴったり。最近では一番ポピュラーなタイプかもしれません。
広い展示会場や専門店なとで見ると、他の大きな鎧兜と比較して小さく感じますが、「部屋に飾ってみたら、予想外に大きくて困った!」なんてことも。
購入前に飾るスペースをきちんと測っておき、お部屋のサイズに合ったものを選びましょう。
⑤コンパクトタイプ
飾り棚やタンスの上にも飾れるミニサイズの兜飾り。
5000円以下のお手頃価格のものからあります。
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歴女ママ注目! 人気の戦国武将・兜飾り!

兜飾りの鎧や兜のデザインは、南北朝時代の「大鎧」と呼ばれるものが長くモデルとされていたようです。
また、将軍・徳川家の兜や、源義経の兜も定番とされていました。
しかし、最近の戦国ブームの影響か、戦国武将が実際に使用した鎧や兜をモデルにしたものが人気を集めています。
兜飾りの売れ筋ランキングから人気武将BEST5を拾ってみますと
(参考「価格.COM 五月人形人気ランキング」より)
1位 真田幸村
2位 上杉謙信
3位 伊達政宗
4位 直江兼続
5位 武田信玄
…という結果に!
価格帯や大きさもバラバラな商品からのランキングですので、お好きな武将がランクインしていなくても、がっかりしないでくださいね。
ちなみに1位の真田幸村は、赤備えの本格甲冑フルセット(な、なんと約154万円!)も売れ行き上々なのだとか。
歴史好きのパパママ、おじいちゃんおばあちゃんは大盛り上がり間違いなしですね。
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兜飾りの豆知識
兜飾りは誰が用意するの?

初節句を前にすると「お祝いの品をパパママどちらの実家が用意するか」でモメることが少なくないようです。
これ…ホント悩ましいですよね。どちらも孫のためを思って善意での申し出ですから、むやみに断りにくい。日本のしきたりとして、正式な決まりがあるかというと、これもまたケース・バイ・ケース。
古いマナーの本などでは「初節句の祝いの品は、(雛人形も兜飾りも)母方の実家が用意するもの」と書いてあることが比較的多いのですが、実際には地域によってまったく異なるんです。
・雛人形は母方の実家、兜飾りは父方の実家が贈る
・どちらも母方の実家が贈る
・どちらも父方の実家が贈る
この3大パターンに加え、「兜飾りは父方、鯉のぼりは母方」、会食を伴う場合では「飾り物は母方、飲食代は父方」など、実にさまざまなケースがありました。
せっかくのお祝いの場でモメない現実的な方法としては、双方の地域の風習(考え方)を事前にリサーチしておくことに尽きるのではないでしょうか?
とくに、パパママの出身地が互いに遠方の場合、それぞれの風習が真逆のこともありますから要注意です。片方の実家だけが祝い事を仕切ると、トラブルが大きくなりがち。
「孫のために何かしたい」という気持ちはありがたく受け、「お祝いごとの席でモメたくない」というパパママの気持ちを素直に伝えて、みんなが少しでもハッピーになれる折衷案を考えていきましょう。
もちろん、おじいちゃん・おばあちゃんのお世話にならず、パパママで用意してもまったく問題ありません!
パパの兜飾りを受け継いじゃダメ? 次男・三男の場合はどうする?

兜飾りや5月人形は、赤ちゃんの健やかな成長を願うものであると同時に、赤ちゃんに降りかかる災厄を代わりに受けて身を守ってくれる「依代(よりしろ)」としての意味かあります。
そのため、本来は一人にひとつずつ用意してあげるのが良いとされています。
パパの兜飾りは、あくまでもパパの身を守るためのものなんですね。
2人目以降の男の子の場合も、それぞれのお子さん用に兜飾り・5月人形を用意してあげるのがベスト。
その場合、同じものである必要はありません。
武者人形や童人形など、お兄ちゃんとは違う「ぼくだけのお人形」を用意してあげてはいかがでしょうか。
飾りつける時期・片付ける時期
ひな人形の場合、「早く片付けないとお嫁入りが遅れる」など、縁起でもない言い伝えがありますよね?では、兜飾りの場合、飾り付けや片付ける時期に決まりはあるのでしょうか?
調べてみましたが、ひな人形ほど広く言い伝えられている決まりごとはないようです。なんかズルイ…(笑)
しかし、せっかくのお祝いの品ですから、少しでも長く飾って楽しみたいもの。できれば4月中旬ごろには飾り付け、お祝いムードを盛り上げたいですね。
縁起を担ぐ人は、大安吉日に合わせて飾り付けをしたりもするようですが、気にならないのであれば、都合の良い日でOKです♪
片付けも焦る必要はありませんが、あまり長く出しっぱなしにしておくと、日光や埃で傷んでしまう原因に。
目安としては、梅雨に入る前、5月中旬ころまでには片付けたいものです。
湿気の少ない天気の良い日を選び、ていねいに埃を払ってから保管しましょう。お手入れの方法や保管については、購入時の取扱説明書をよく読んで、専用のお手入れグッズを使用してください。
まとめ
兜飾りの基礎知識アレコレをまとめてみましたが、いかがでしたでしょうか?歴史好きなパパママはこだわりの武将兜を選んでも楽しいかもしれませんね。
兜飾りは、比較的小さなものでも安い買い物ではありませんし息子さんの健やかな成長を願うもの。じっくりと納得のいくものを選んでくださいね♪
・表示価格は、改正前の消費税率で掲載されている場合があります。ご了承ください。