遊びについて、親はこんなことに困っている!

グラフ1,子ども,遊び,

遊びについて保護者にとっての困り事であてはまるものを聞いたアンケート結果では、「ケガや事故に関する心配」を半数以上の保護者が選択しました。「部屋の中が散らかる/片付けができない」なども上位に位置しています。

ただ、上位項目ではなくても、一つひとつの困り事・心配事に、あてはまる保護者がいらっしゃることが分かります。

そして、これらの項目を見ると、困り事には、保護者の方が日常生活の流れの中でちょっと困るな~と感じる「大人の事情関連」のものと、子どもの遊びの様子から大丈夫かな?と心配になる「遊びの内容関連」のもの、2種類の内容がある気がします(下グラフ参照)。

明確に分けられるものでない場合もありますが、今回の記事では、まず前編として身近な生活での「大人の事情関連」、次回は後編として少し踏み込んだ「遊びの内容関連」の項目について、それぞれ捉え方や対応のヒントをマメ先生に伺っていきます!

グラフ2,子ども,遊び,

部屋の中が散らかって片付かない…きちんとしつけるべき?

豊かに遊べば遊ぶほど、片付かない。散らかるのは、喜びの悲鳴と捉えて

【マメ先生】
赤ちゃんの時はよかったけれど、子どもが成長してくると、あんなにきれいなリビングだったのが、だんだんそうでなくなってくるということがありますね。

また、通っている園が子どもが活発に活動する園であればあるほど、園から空き箱の工作など、たくさん持って帰ってきて、家中がそういうものであふれていくということがあると思います。親としては、きれいなお部屋で過ごしたいと思うけれど、そうはいかない。

皆さんには、残念なお知らせになるかもしれませんが、幼児期は子どもたちが豊かに遊べば遊ぶほど、片付かなくなります。

何かに夢中になって遊び込む子ほど、もっとこれを使ってやりたい、こんな風に遊びたいと、色々なものを使いたがりますから、ますます片付かなくなるのです。

ですので最初から、乳幼児期の子どもは片付けるようにならないと思った方がよいです。小さな時から片付けのしつけをもっとさせなきゃいけないんじゃないか、などと思いがちなのですが、海外と比較すると、日本は片付け過敏です。日本は片付けに対してすごく敏感なんだと思った方がよいかもしれません。しかし、まあ住宅事情からも仕方がありませんよね。

そんな時は子どもだけにやらせようとするのではなく、まずは親子で一緒に片付ける、あるいは、親からモデルを見せていくという方がよいでしょう。

「じゃあ、ママここにしまうね。もしお手伝いできたら一緒にしてね」というような感じで始めていく。

それでも片付けない子は片付けないかもしれません。それでも少し遊び感覚で戻していくなどやっていくうちに、次第に自分でも戻すということが少しずつ習慣づいていくと思います。ただ、これも個人差がものすごーくあります。

そりゃそうですよね。大人になっても片付けられない人は片付けられないんですから。

個人差がすごく大きいので、あまり片付けないということでナーバスにならないようにしましょう。

子どもにとっていっぱい遊ぶことはよいことなので、あまりそれを制限しすぎちゃうのはもったいないかなと思います。

片付けやすい環境づくり、こんな方法も!

【マメ先生】
散らかるのは豊かに遊んでいる証拠、片付けは関わりながら徐々に…。そうだとしても、もう少し片付けてほしいんだけど…という方には、我が家でやっていた、とっておきの方法をご紹介します。それは、この範囲の中でというコーナーを作ってしまうこと。

もちろん住宅事情によって、どの程度場所が作れるかというのは違うと思いますが、子どもは自分のコーナーができると結構うれしいもので、例えば小さなカーペット一つの上というコーナーを作ってあげるだけでも、その場所の中でよく遊ぶようになったりします。あちこちに広がらなくなり、片付けもしやすくなると思います。

また、保育園・幼稚園等からよいノウハウを学ぶとすれば、分類をちゃんとしておくこと。つまり、この箱にバサッと入れればよい、これはここにしまうなど、しまう場所がちゃんと子どもにも分かるようにしておく。

「片付けやすい環境づくり」も家の中でできる工夫の一つだと思います。

ずっと遊び続けるから規則正しい生活ができない。どこまで子どもに合わせればよいの?

遊びの「ピーク」を見極めることも大切に。子ども自身がけじめをつけやすいような工夫も

【マメ先生】
親からすると、例えば食事の時間なのに「まだ遊ぶ~」と言われるのは、すごく悩ましいものですよね。子ども自身にけじめもつけてほしい、としつけの観点から思うことも当然だと思います。

ただ、まず子どもが遊びに夢中になることはよいことだという前提で話すのですが、遊びって、夢中になっていると、「ピーク」があるんですね。中途半端なタイミングで食事の時間になっていないかどうか見極めることはすごく大事かなと思います。逆にいうと、子どもが「そろそろお腹が空いた」「もう飽きた」というタイミングに、親側が合わせるという工夫は一つできることかもしれません。

あとは、少し大きな子には、子どもが自分で気持ちを切り替えられるような選択肢を用意してあげるとよいでしょう。例えば、「時計の針がここまできたら終わりにする、ってしようか」「このタイマーが鳴ったらそこまでにしようか」のように、明らかに切り替えが分かることを子どもの選択肢として出してあげてもよいかもしれません。その選択肢自体を子どもに決めさせるとなおよいと思います。「じゃあ、これをここまでやったら、終わりにする」とか、そんな風に自己決定できるように促すとよいです。

怒らなければいけないって親もエネルギーを使いますし、子どもにとっても怒られてばかりってあまりよいことではありません。

また、「これが終わったら、今日、こんなよいことがあるよ」という先の見通しを示してあげることも、子どもが気持ちを切り替えやすくなる一つのポイントかなと思います。特に低年齢の子どもは、この先の見通しを親が示すことが切り替えられるきっかけになることが多いかもしれません。

こんな方法を試してみてはいかがでしょうか。

うるさいなあ…付き合うのが面倒くさいって思うのは悪いこと?

話に付き合えない時は、子どもにきちんと説明をしよう

【マメ先生】
よくおしゃべりするお子さんだとしたら、すごく語彙力が伸びることだから、それはむしろ「語彙力を伸ばしているねー!君」と思った方がよいと思いますよ。

ただ、よくしゃべるお子さんですと、親はずっと応えるのが面倒くさいと思ってしまうことがあるかもしれません。

しゃべりたいことがたくさんあって話してくることは望ましいことですが、親は状況によっては付き合えない時もあると思います。そんな時は「今はママだめな時間ね。あとでゆっくりおしゃべりする時間つくるからね」と、子どもにもちゃんと説明した方がよいです。今はできないけれど、次はある、ということをちゃんと丁寧に説明するということも大事なんです。子どもは、まんざら分からないわけでもないので、普段から子どもにもちゃんと伝えるとよいでしょう。親も人間なので、付き合えない時は今は付き合えません、ときちんと言うことも大事だと思います。

ご近所には、先手を打って一言挨拶をしておこう

【マメ先生】
集合住宅の場合は、走る音が下の階に響くとか、大きい声を出すとご近所から迷惑だと思われているのではないか、というような心配があるかもしれませんね。

これは、もう先手を打つしかないですね。「ごめんなさい。うち小さい子がいて結構走り回ったりして迷惑かけているんじゃないかと思って」などと、ご近所さんにはお伝えして、なるべく先手を打っちゃった方がよいですよね。

最初から言っておいた方が心配しなくてすみます。特にマンションの下の階の家は、走り回る音などを感じないはずがないので、「一度ご挨拶を」というのは、煩わしいけれども、やっておいた方がよいと思いますよ。

顔が見えない相手がうるさいから腹が立つのであって、顔が見える相手で、ちゃんと一言伝えておけば、そんなに悪く言わないと思います。早いうちに先手を打って、その心配事は最初からなくした方がよいでしょう。

どうしてこんなに汚すの? 汚さずに遊ぶってできないの?

遊びに、汚れはつきもの。お金を払ってでもさせたい価値ある体験

【マメ先生】
昔は汚れることが当たり前でした。外に出て、いっぱい自然に触れて、泥んこになって遊んできました。ところがこの数十年の間に、そういう経験が急速な勢いでなくなってしまいました。砂や泥や葉っぱなどにまみれるということは、色々なものに触れることに心地よさを感じたりする大事な経験なんですけれども。このような経験がなくなると、人はどうなるかというと、とても神経質になります。過剰に清潔になるとどこまでも清潔を求めていきます。健康の発達から考えても、精神的な発達から考えても、汚れることや想定外のことが起こることを受け入れきれないということになってくるわけですよね。

乳幼児期を逃してしまうと、そういう経験をする機会がその後なかなかないんですよ。

もし保育園・幼稚園等に行っていて、泥んこになる機会がある園だとすれば、こんなにありがたいことはないということなんですよね。

私はこの分野の専門家ではありませんが、いわゆる色々な雑菌に触れることも、実は人が免疫力をつけていくことでも大事なことと言われていて、あまり過剰な清潔にしない方がよい、という面もあるかと思います。

園に行く時、外に遊びに行く時は、「汚れることはつきもの」と覚悟してほしいと思います。洗濯の大変さもよく分かるんですけれども、この時期何年間かのことです。乳幼児期の子どもが育つ習い事の一つと思っていただけたらと思います。そのくらいお金をかけてやらせたいくらい大事なことです。もしも泥んこの教室があるとすれば、行かせてあげたいものですよ(笑)。こういう混沌の体験をするということが人の発達上、とても大事です。色々なことをおおらかに受け止める力につながっていきますから。

親側からすると、すごく負担が大きいんですけど、むしろこれはお金を払ってでもさせたい習い事の一つを保育園・幼稚園等で、あるいは公園などで、お金をかけずに経験できると思えば、その投資としての洗濯という風に少し見方を考え直してみてもいいのではないでしょうか。

フレーベル館より

今回の記事はいかがでしたでしょうか。次回は、後編「遊びの内容関連」をお届けします!次回もぜひご覧いただけたらうれしいです♪

私たちフレーベル館は創業以来、「子どもたちの健やかな育ち」を支えるため、様々な事業に取り組んでまいりました。「子どものことを想う」一員として、保護者の皆さんの悩みや不安、知りたいことなどに寄り添い、一緒に考えていきたいと思っています。

監修者プロフィール

大豆生田 啓友

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玉川大学教育学部教授。専門は、乳幼児教育学・子育て支援。青山学院大学大学院教育学専攻終了後、青山学院大学幼稚園教諭などを経て現職。日本保育学会副会長。こども環境学会理事。NHK「すくすく子育て」をはじめ、テレビ出演や講演活動など幅広く活動中。多数の子育てに関する著書がある。

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