精霊流しとは
お盆に、爆竹?船?とにかく賑やか

毎年8月15日の夜に、新盆を迎えた家から故人の魂を船に乗せて海へ送り出す、というのが本来の行事の趣旨です。
この船というのは、故人を偲んで各家で製作されるものです。
とっても個性豊かで、故人の趣味趣向がぎゅっと詰め込まれたものが多く、見送る人々もそれを見て故人を偲べるものとなっています。
この船を、白い法被を着た船の曳き手さんたちが爆竹を鳴らしながら町内を練り歩いたのち、海へ送り出す、という流れになります。
長崎市内では現在は環境への配慮のため、実際に船を流すことはされていません。
ユニークなのは、送りだす人々が楽しげにとにかく賑やかに大騒ぎするという点です。
大量の爆竹に火をつけながら船の曳きまわしをするんです。
とにかくすごい爆音!火花!大迫力です。そして大音量です。
見物は安全対策をしっかりと

長崎市内で、精霊船の曳きまわしがもっともよく見物できるのは、各家庭を出発した船がみんな通る県庁坂。
子どもと一緒の場合は、爆竹の火花や爆音が心配なので、最前列は避けて、少し遠巻きに見られる場所が良いでしょう。
服装は、長袖・長ズボン・帽子の服装で出かけると火花が飛んできても心配がなく、安心かもしれませんね。
音がすごいので、耳栓は必須アイテム。
当日は市内のコンビニでも普通に売られているようですが、子供用サイズは限られているので、前もって準備しておくほうが安心ですね。
花火が初めての子どもと一緒の場合は特に、びっくりしたり怖がって泣き出してしまうと大変です。
最初は離れたところで、お子さんに合わせて無理しない!が鉄則です。
当日は市内各所の交通規制があるので、事前の情報収集は念入りしてから出かけることをおすすめします。
「生きる」ことの素晴らしさを感じよう

故人を偲ぶための行事が賑やかに陽気に行われるのは、一見違和感を感じる方もいるかもしれませんね。
この行事を実際に体験してみると考え方が少し変わるかもしれませんよ。
残された人たちが明るく、賑やかにすることは「生きていること」を楽しむことです。
そして、故人に「だから、大丈夫!安心してね」とお伝えし、明るく送り出すこと。
故人も安心して送りだされる…と見方を変えてみればなるほど、と納得ですね。
幼児~学童期にもなるとなんとな~く「いのち」の概念が生まれる子が多いものです。
子どもと一緒にこの行事を経験し、親子で「いのち」「生きていること」のエネルギーを感じるそんなきっかけにするのもいいのかもしれません。
まとめ
大量の爆竹、なぜか賑やかで楽しそうな人々、静かにご先祖様を偲ぶ日というお盆の規定概念がひっくりかえります。
送り出す人々の生命力を感じる行事です。
この精霊流しを通じて、「命の尊さ」や、生きていることの意味を考えるきっかけにもなることも確か。
長崎市内の流し場では見ることができませんが、島原市では今でも海へ精霊船を流しているので、こちらも一見価値ありです。
お子さんとこんな行事を経験してみるのは、とても貴重な経験になることと思います。
異国情緒たっぷりで、行事以外も見どころたっぷりの長崎。
この夏、家族でおでかけしてみませんか?
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