羊水が少ない羊水過少症とは

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羊水は、妊娠初期には羊膜上皮という部分からの分泌物によってつくられます。妊娠中のママの子宮内には、卵膜と胎盤で形成された袋状の空間がありますが、この空間を満たしているのが羊水でそこに赤ちゃんが浮かんでいます。

羊水は、お腹の中の赤ちゃんを外からの圧迫や衝撃から守る役目を担っています。

羊水は、妊娠の経過とともにその量が変化します。妊娠初期の7週目頃はごく少量しかありませんが、30週前後になると平均で700~800mlに増加します。そして、その後減少していき、出産を迎える頃は400ml強になります。

羊水過少症は、その名の通り羊水が極端に少ない状態のことを指し、日本産婦人科学会では、「明確な定義はないが、一般に100mlを下回る場合」を羊水過少としています。

羊水過少の頻度

妊娠初期から中期にかけての羊水過少は、お腹の赤ちゃんの異常が関係していることも多く、発生頻度としてはまれです。

しかし、出産予定日を過ぎると、お腹の赤ちゃんの健康状態や胎盤機能の影響を受けての羊水過少が見られるようになります。妊娠週数41週を超えたママのおよそ12%に羊水過少が見られるとの報告もあります。

羊水過少症の原因

羊水過少症は、もとから羊水を作りにくい体質である、あるいは、何らかの具合で、胎盤などから羊水が作られなくなるといった母体が原因の場合もありますが、お腹の赤ちゃんに問題があることもあります。

お腹の赤ちゃんは、お腹にいる間、羊水を飲みおしっことして出すことをくり返しています。この嚥下(えんげ)と排尿をくり返すことで腎臓が発達していくのです。そして、この「飲む量」と「おしっことして出す量」のバランスで、主に羊水の量が決まってきます。

赤ちゃんに泌尿器系の異常など排尿量が減少するなんらかの問題がある場合、飲む量と排尿量のバランスが崩れ、羊水量が減少します。

赤ちゃんの排尿量の低下の原因としては、先天性異常による胎児尿生産障害、胎盤機能不全による胎児低酸素症、胎児発育不全、薬剤の影響、感染などが考えられます。

また、破水して子宮の外に羊水が流出してしまうことも羊水過少の原因のひとつです。前期破水(お産の前に破水してしまうこと)による羊水過少はめずらしくありません。

羊水過小症の診断

羊水過少の診断方法は、羊水過多と同じく、経腹超音波検査で羊水インデックス(AFI)と羊水ポケットを調べて診断します。

羊水インデックス(AFI)

ママのお腹を上下左右4つの領域に分け、その中でもっとも羊水の量が多い部分の合計値が5cm未満の場合。

羊水ポケット

子宮内壁と赤ちゃんとの間の距離が、もっとも遠い部分で2cm未満の場合。

上記の条件のいずれかにでも該当すれば羊水過少症と診断されます。

羊水過少症の治療

妊娠高血圧症候群などママ側に原因があるとわかった場合は、その治療を行います。薬剤の影響が考えられる場合は、薬剤の変更も検討されます。

妊娠後期の場合は、胎児の健康状態に問題があることが考えられるので、連続胎児心拍モニタリングなどで胎児の状態を観察、分娩時期や方法を決定します。

妊娠のかなり早期から羊水過少と診断された場合は、胎児に先天異常がある場合が多く、一般に予後不良といわれています。しかし、状態によってはお腹の中の赤ちゃんに手術を施すことで救えるケースもあります。

また、前期破水した場合には、赤ちゃんの健康状態が悪くなくても早期の分娩が選択されることもあります。

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