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【1】『わたしとあそんで』マリー・ホール・エッツ/文・絵 よだじゅんいち/訳|福音館書店
細やかな心情を表現する絵にも注目

『わたしとあそんで』は、女の子と動物たちの交流を温かく描いている絵本です。動物たちは追いかけると逃げるけれど、じっとしていると寄ってきます。
相手と遊びたいなと願う気持ち、誘ったのに伝わらないもどかしさ、じっとしていたらいつの間にか遊び仲間になれていた、一緒に遊んでくれる嬉しさ。
実際のお友だち関係でも、感じることかもしれません。女の子のこうした気持ちの変化が、子どもたちの共感を呼びます。
絵はクリーム色を主体としたモノトーンに近いものですが、女の子の心情がとてもよく伝わってきます。
動物たちが戻ってきてくれると、身じろぎせず瞳だけで動物たちを追いなんとも幸せそうな表情をします。
帰り道、喜びが一気に噴き出した最高な気持ちのシーンで、締めくくられています。自然なお友だち関係を伝えられる本を選びたい時におすすめです。
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【2】『わたしはあかねこ』サトシン/作 西村敏雄/絵|文溪堂
自分らしさを応援してくれる絵本

『わたしはあかねこ』のストーリーは、ネコの一家の中でみんなは白と黒でネコらしい模様なのに、1匹だけ赤い色をしたあかねこが登場します。
自分ではこの色が気に入っているのに、みんなは心配して同情ばかりします。自分だけ違うことを認めてもらえず悲しむあかねこは、新しい世界へと一歩を踏み出します。
あかねこの眼差しには、強い意志を感じます。周りからなんと言われようと、自分が好きという姿勢を貫くあかねこは潔くて前向きで、「そのままの自分でいいんだよ」というメッセージを発しているようです。
たとえ今は居場所が見つからなくても、自分で自分のことが好きでさえいられたら、幸せはきっと訪れるのです。
親としては、子どものことをきちんと認めてあげられているかな…と振り返ってしまいますね。ラストシーンが描かれている背表紙にもぜひ注目してください。自分を大切にすることを伝えたいという方に、おすすめの一冊です。
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【3】『しろいうさぎとくろいさぎ』ガース・ウイリアムズ/文・絵 まつおかきょうこ/訳|福音館書店
二匹のうさぎの表情が愛らしい

初版は1965年、2015年現在で245万部に達するミリオンセラーです。子どもの頃に読んでいて、今度は自分の子に読みたいという方も多いですよ。
親子でそれぞれの楽しみ方ができる絵本です。子どもは、うさぎの可愛らしさやハッピーエンドとなる結末を楽しめます。
大人は、好きであるがゆえの切なさや、想いを確かめ合う真剣な気持ち、その後の幸福感が心に響きます。
ほとんどモノトーンで派手さはありませんが、森の情景の美しさやうさぎの毛の一本一本まで描かれた繊細な絵が素敵です。
二匹で楽しそうに遊んでいる表情、くろいうさぎの憂いのある表情、告白のときのお互いびっくりした表情、最後に幸せいっぱいに体を寄せ合っているときの表情まで…。
うさぎが感情豊かに描かれています。絵が美しく上質な絵本を読み聞かせたいという方におすすめです。
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まとめ
5~6歳くらいの女の子にとっては絵本のストーリーを通して、お友だち関係や家族関係のことで共感するところがあるかもしれません。
また、美しい絵を楽しむ感性も育みたいですね。成長に合わせて触れる絵本を選んであげることで、子どもの感受性を磨いてあげましょう!
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